精神疾患治療のために使用される薬に関する、用語と分類まとめ

前回の続き。〜その2〜。
メンタルヘルス関連で、色々な用語や物質名が出てきてよくわからなかったので調べてみました。

〜その1〜はこちら。合わせて読むと、理解が深まると思います。
2012-07-11 『脳内神経伝達物質に関する調べものまとめ』 - 脳から逃げない


精神疾患の治療薬に関しては、処方されたままあまり調べず疑いもせずに、自分or周りが飲んでいるという場合も多いと思うので、ある程度は把握しといたほうがいいと思います

わたし自身、アンチ精神薬の立場として調べたので、問題点や危険性に関する情報が多めですが、できるだけ中庸な思考を心がけて収集しました。素人判断・個人的見解は含みません。
薬物の商品名に関しては、特に有名な物と、自分が処方されていた薬に注目してます。

向精神薬

// 人間の精神に働きかける作用を持つ薬剤の総称。
// 化学的な分類とは無関係な法律用語である。

  • これらの薬は乱用すれば麻薬と同様、強い依存や正常な脳に非可逆的なダメージを与えることになる。
  • ちなみに人の精神に働きかける薬剤であっても法律に記載がなければ向精神薬とは呼ばない。
種類

法では大きく第一〜三種向精神薬の分類がある。
それにより輸出入や処方に関しての制限などが規定される。

精神安定剤(英:Tranquilizer、トランキライザー

// 向精神薬のうち、精神状態を安定させる性質を持つ薬物の総称。
// これらの薬は脳に直接作用する特徴をもつ。そのため、医師の処方せん無しでは入手できないようにされている。

一般的な誤解として、単に前者=強い 後者=弱い と思いがちだが、前者と後者では全く薬理作用が異なる。

抗うつ薬

// 脳内環境の調整をする精神安定剤
// 精神症状を発生させる大本の原因となる物に作用し、発生を抑えさせる役目があることが、抗不安薬マイナートランキライザー)との違い。

  • 効果と副作用は多くの研究で取り上げられ、それらには相反する主張が多い。
  • 作用は遅発性であり、通常数ヶ月から数年飲み続ける
  • 脳に直接働きかけ、脳のリラックス系の神経受容体「BZD受容体」に結合することで、不安を和らげたり、気分を落ち着ける。
  • 効果を発揮するには1-2週間かかる。
  • 服用を勝手に中止すると、まだ自力で脳内環境を整えられない状態なので、再発リスクが高く、繰り返すと治りにくいと言われている。
  • 年齢に関わりなく、抗うつ薬(特にSSRI)の処方開始直後に、未遂を含めた自殺のリスクが上昇するという報告があり、アメリカ食品医薬品局(FDA)から警告が発せられた。
  • 化学構造、作用機序により様々な分類がある。以下は一例。
    (カッコ内は一般的な商品名)。

抗不安薬マイナートランキライザー

// 非日常レベルでの不安・緊張を和らげる精神安定剤
// 不安やパニック発作が発生したときにそれをおさえるもの。いわゆる頓服。

  • 半減期(服用した薬の濃度が体内で薄まったことを示す)によって、“○○型”に分類される。
    半減期が短いほど、迅速に血中濃度がピークに達し、その後速やかに血中から除去される。
    • 短時間型 : 半減期3-6時間(カッコ内は一般的な商品名)
      クロチアゼパム(ソーゼ)/エチゾラムデパス)/フルタゾラム(コレミナール)
    • 超長期間型 : 半減期100h〜
      ロフラゼプ酸エチル(メイラックス)/フルトプラゼパム(レスタス)/プラゼパム(セダプラン)

抗精神病薬メジャートランキライザー

// 幻覚、妄想、興奮状態に対処するための、比較的作用が強い精神安定剤
// 主に統合失調症の治療薬。

  • 注意すべき点は、作用が強力な分、副作用も強力である。
  • 非定型抗精神病薬は定型精神病薬と比較してドパミンD2受容体への作用が緩和されている。より高い抗精神病作用を持ちながら副作用は少ないとされている。


化学構造、作用機序による各分類についてと、薬害についてはそのうちまとめます。

脳内神経伝達物質に関する調べものまとめ

メンタルヘルス関連で、色々な用語や物質名が出てきてよくわからなかったので調べてみました。
これらのソースはWikipediaや図書館の本や医学書など多数。理解を深めるための補足は盛り込んでいますが、素人判断・個人的見解は含みません。
またいろいろわかったことがあったら追記していくと思います。

〜その2〜はこちら。合わせて読むと、理解が深まると思います。 →2012-07-12 『精神疾患治療のために使用される薬に関する、用語と分類まとめ』 - 脳から逃げない


ドーパミンとは

  • アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体。
  • 運動調整、ホルモン調整、快の感情、意欲、学習などに関わる。
  • 強迫性障害、トゥレット障害、AD/HD(注意欠陥・多動性障害 Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)は、ドーパミン機能の異常によって起こる症状。

ノルアドレナリンとは

  • 別名、ストレスホルモン
  • 注意と衝動性が制御されている脳部分に影響を与える。
  • 闘争あるいは逃避反応を生じさせる。
  • 交感神経系を動かす

セロトニンとは

  • ノルアドレナリンドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用がある。
  • トリプトファンから産生される。(後述)
  • セロトニン神経の活動には、日光が大きく影響する。
  • 人体中には約10mgのセロトニンが存在する。
  • 小腸粘膜の腸クロム親和細胞が主に産生し、その大部分を保持する。
    • 90%:小腸粘膜の腸クロム親和細胞内に存在。消化管の運動に大きく関係する。
    • 8%:血小板に取り込まれ、血液の循環を通じて体内を巡る。血中で必要に応じて用いられる。
    • 2%:中枢神経系に存在。人間の精神活動に大きく影響する。
トリプトファン

// 必須アミノ酸のうちのひとつ。セロトニンの前駆物質。食品中タンパク質が多いほど多く含まれる。過剰に摂り過ぎると肝硬変を招く。卵の白身などにたくさん入ってる

モノアミン神経伝達物質 (monoamine neurotransmitter)

// アミノ基を一個だけ含む神経伝達物質または神経修飾物質の総称。

モノアミン仮説

// うつ状態は、モノアミン類、ノルアドレナリンセロトニンなどの神経伝達物質の低下によって起こるとした仮説。

  • モノアミン仮説に対する反論:
    シナプス間隙のノルアドレナリンセロトニンの低下がうつ病の原因であるとすれば、抗うつ薬は即効性があってしかるべきだと言われている。
    実際、治療薬が効きうつの改善が見られるまでには最低2週間を要することを考えると、この反論意見は一理あると言われている。
  • 脳内の病態が明らかにされていない以上、逆の病態が大うつ病性障害の根本原因と結論付けることは出来ず、あくまで仮説。
  • そもそも脳そのものの神経伝達物質の動きは見ることができないという技術的限界がある。

余裕のない日本人

日本人の多くが余裕をなくして、卑屈かつ他者へ攻撃的になっている。
嫌がらせと嫌味しか取り交わしていないような。
粗探しと根拠のない浅い批判と監視のし合い。
職場も学校もインターネット上も。

余裕とは言わば人間(自分・他者)や物、環境を配慮をすることであり、
配慮とは愛情を向けることである。


子どもたちは、大人のように仕事が忙しいわけではないけど、学力競争と蹴落とし合いに若く燃ゆる命を削ってるし、周りの大人が行動も思考も忙しなくカリカリしていると、同じくそういう風に育つ。
社会に希望もなければ鬱憤も溜まる。
これは広く社会規模で連鎖的悪循環を起こす。

若者の鬱憤や抑圧は、内に向くか外に向くかしかない。
内に向くと自殺したくなるし、
外に向くと他者への加害になる。
これはいじめや犯罪の問題になる。
こういった二面性はあれど、基本的な性質も根本的な原因も変わらない。


いじめる側を擁護するわけではないが、どっちにしろ完全に個人だけの責任ではないと思う。もちろん精神疾患や自殺の問題も。
例えばそういった人に対し、加害者の心だけが歪んでいた、狂った個体だった、突然産まれた悪魔だった、とういのはあり得ないと思う。
やはりそうさせてしまうような背景があるのだろう。
(そんなことも自覚せず当人はゲームのように扱ってるから実際問題、悪質だけど。)

いつも言うようだけど、家庭や社会的背景があるのだし、誰しも周りの人間に影響されて心も育つのだ。
人格そのものは誰のものも責めるもんじゃないと思う。

私だって鬱状態に溺れて苦しいときは、誰かか自分かを殺したいなどと衝動的に思ったものだし、私とこのような人々の一体何が違うのか。


話が飛んだ。

大人も子どもも人間らしく(怒って他者と衝突したり、自分や他人の心にしっかり向き合ったり、調子を崩して休んだり、それを周囲の人間と許し合いながら)生きてないから、相手のことも生身の人間だと思えてない。
そしてそれが当然であり疑う余地もないのだ、自分もこの世の中も親も正しいのだ、と思い込み生きている。そこが問題だ。


なぜこんなこと考え始めたのか、
きっかけはこのツイート。

配慮に欠けるどころかなにも考えていない輩がいるもんだなあと思ったのです。想像力がなさすぎるなぁ…。
教師になるのが人格者とは限らない、むしろそんなの無いのが当然なんだろうな最近じゃ。

“他人への理解”と“自分自身への認識”は同義。

本当にそう思う。


解決策を具体的にいうと、多忙と危険がある程度無くなれば穏やかになると思うんだけどな。
そんな一筋縄には行かないが。
「休む」「ゆっくりする」「なにもしない」ことが悪のように取り扱われている昨今だけど、本当に大事だと思う、休むこと。

「する」の反対は、「しないで いる」こと。
「する」をできない人間を責めるのは「いる」ことを否定することだ。
あふれんばかりのToDoリストを追い続けることは、「いる」自分を殺すことになる。
大袈裟じゃなく、実は本当に危ない。

人間は本当はそんなにたくさん動けないようにできている。
(このへんはこの本に詳しく書いてあります、当ブログ紹介記事 :
『スローライフのために「しないこと」』著者:辻信一 - 脳から逃げない #8

『子どもへのまなざし』著者:佐々木正美

去年の今頃読んだ本。日記帳をひっくり返していたら殴り書きメモ見つけたのでまとめます。

この本は幼少期の心の発達と教育者の関係を説いています。
現代のアダルトチルドレン的メンタル不調の状況を読み解くのに役立った。著者の語り口が優しく、とてもいい本。

読書メモ

  • 横浜市内の調査、
    「産まないほうがよかったと思うことがある」32.8%
    (調査対象と年代はちょっと忘れましたごめんなさい、若いママ達だった気がする)
  • 育児が下手 = 人間関係が下手
  • 育児不安 = 存在不安(親の)
  • 人間のあらゆる努力の営みは、疎外や孤立を回避しようとするものである
  • 生命欲 = 集団欲
  • 存在不安の解消 = 人間がみんな、自分の周囲の人とお互い守り守られ生きているのだという気持ちになること。
    相手によって生かされている
  • 孤独 = 存在の根源を揺るがされる。健康でいられない
  • 子どもの別の人格を認めてあげられるほど、親の方が成熟や自立をしていない。
  • 育児がうまくいかない親 = 自分でこれ以上の面倒や不幸を背負えないとか、自分の希望や欲望の方が子どもの期待や希望をこえている場合が多い。教師も。
  • 育児を楽しめない人に育てられることは子どもにとって最高に不幸
  • 目先のわずらわしさに気を奪われて、心の底にある人間としての「人と一緒にいたい」という健全な欲求に気持ちがおよばない
  • 相手の心にひびき合うことのできる感性を自分でどのように育てていくか
  • 人とのまじわりを楽しむくらいで
  • ソーシャル・レファレンシング(6ヶ月〜1歳半):「社会的に」「参考にする」
    →誇りの感情、人間としてのプライドをみんなで分かち合う
  • 「豊かな国では、パンのために人が死ぬことはないでしょうが、さびしさのために人が大勢死ぬことでしょう」マザーテレサ
  • いい子
    × 親のいうことをよく聞き面倒のかからない子
    ○ その年齢に相応した子どもらしさをもつ子
  • 親に手をやかせる子が本当のいい子
  • 待つことが大事
  • 子どもを過保護でだめにした例は絶対にない。子どもの望むことを望むだけやらせる
  • 育児をする上でもっとも大切なこと= 子どもに生きていくための自信を持たせてあげること。
    子どもにとって最大のサポーターであり理解者が親なのだということが子どもにつうじればいい
  • 人生のできるだけ早い時期に“自分が全面的に受容される”ことが大事。“私はこのままでいいんだ” = 自信・安心
  • 人間は誰しも安心して生きていたいから、自分をできるだけありのまま認めてくれる人を一生懸命見つけようとする。
    なんとか相手に認めてもらおうとする若者は早い時期から熱心に恋愛をくり返しがち
  • こちらが広くものを見ればいい。好みや価値観を狭くしない
  • 他人への理解と自分自身への認識は同じ意味
  • 知識や技術は、それだけでは人格と無関係
  • 子どもは誰でも向上心があるから、過剰な反省と「頑張れ」はいらない
  • 大切にされていると実感できないと意欲的になれない
  • 幸せとは、感謝ができること

子どもへのまなざし

子どもへのまなざし

続 子どもへのまなざし

続 子どもへのまなざし

完 子どもへのまなざし (福音館の単行本)

完 子どもへのまなざし (福音館の単行本)

デザインを学ぶ姿勢

デザイン系学生、リサーチが足りなすぎなんじゃないんじゃないですかね。
圧倒的な情報量を自力で揃えて、それらを吟味と取捨選択しながら本質を追求したら、美しいゴミなんて作ろうと思わない。
創作行為ってそういうものじゃないのか?と思った。

美しいゴミ。
大量生産大量消費社会でぶん回されていくだけのもの。
国力の低い国から搾取するためのもの。貧困を生み出すもの。
本当は誰も欲しくないもの。必要でないもの。
誇大広告にのせられた人々が手を出すもの。
中身がなく自己顕示欲の強い不勉強な“デザイナー”や“クリエイター”が自慰行為さながらにひけらかすもの。

徹底的なリサーチ。
それら全てを五感で受け止めた経験。痛みと苦悩。
そこからの本質的な思考などを無しにして、それどころか展覧会やイベントや既存の芸術に触れることだけに重きを置いているデザイン学生多すぎる。
もちろん感性を磨くことも大事かもしれないが、創造性が伸びるのは前述のリサーチと勉強あってこそ。

クリエイティブってなんだよ。
いかに他人や世界のこと考えられるか。大きな器と愛情から裏付けされた生産的な姿勢だろ。
ユーザビリティも追求してないような小手先の“カッコいいもの”をつくることがデザイン行為じゃないだろ。
“デコレーション”のことを“デザイン”だと勘違い&誤用している人も多し。
様々な側面から対象物をいかに本質的に観察できるか、想像力を働かせるか、
また、他者のためにそれをいかに一生懸命にできるかがいいデザインだし、本当の創造力。


金儲け社会にそれらが打ち消され薄まっている気がして
ちゃんと考えられる人も少なくなっているような気がして。

でも芸術とデザインって似て非なるものである気もして
ユーザビリティの追求のみがいいデザインではない気もして
よくわからない

「今こういうことされて
 こんなに辛い。傷を見て」
っていうのが子どもの作品で、
「ぼくはこういうふうに治しましたよ」って、
治った傷口を見せて言うのが
大人の作品だって。

ほぼ日刊イトイ新聞ー恋、みたいなもの。

メンタルの話をよくしてくれる友人がtweetしてたのだけど、なるほどそうだよなって思った。
ここで言う「子ども」と「大人」って精神的熟達のことを言うのかな。

治った傷口が作品か。
だったらたくさん傷つくってたくさん治した方がいいな。

なんだかエヴァの監督 庵野秀明さんを思い出した。